『鵜の声がきこえる』の原作は
外村 繁『鵜の物語』
外村 繁(本名「茂」1902年~1961年)
外村 繁 |
五箇荘金堂村(現東近江市)の近江商人の商家「外村商店」に生まれました。父の吉太郎は京都の呉服木綿問屋、外村商店に勤務し、外村家の長女「みわ」の婿養子に迎えられました。四男一女を得、長男は外村宇兵衛家の養子になり、二男は病死したため三男茂が家の相続人になりました。
東京帝国大学経済学部を卒業後家業を継ぎます。北海道、東北に出張するなど家業に精励しますが成績が上がらず、家業を弟に託し文筆の道に進みます。
1933年、「鵜の物語」を発表し文壇にデビュー。初期の代表作とされています。長編「草筏」を連載中に第1回芥川賞候補になりました。
戦後に「筏」、「花筏」を発表し、「筏三部作」と呼ばれています。
『鵜の物語』について
梶萬商店の杉野市郎は、東北地方の出張員に抜擢され一生懸命働く。関東大震災では梶萬商店の危機を救うため身を粉なにして働くが、その後も不況の波が容赦なく襲ってくる。
杉野たち東北出張員の暮らしの実情や、不況下で零落する商店とその家族を活写し高い評価を得た作品です。
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